うつくしま、ふくしま。の子どもたち

津波で失われた数多くの命

現実には、転校を余儀なくされてバラバラになった子どもたちがいます。

福島第1原発、福島第2原発の警戒区域、帰還困難区域、居住制限区域など、立ち入ることすらできない地域があります。

除染には30~40年かかるという説がありますが、定かではないでしょう。

 

まだまだ進んでいない復興

復興庁からのデータ提供によると、平成24年11月1日調査による福島県から県外への避難状況は、合計58,608人です。

6万人近い人口が減りました。

この人たちが再び福島県に戻ってくることは果たしてあるでしょうか?

現実的にはかなり厳しいと思います。

でも、ふるさと福島県のことは忘れないでしょう。

そうでいて欲しいと思います。

 

福島県には「うつくしま、ふくしま。」というキャッチフレーズがあります。

田舎ならではの美しい自然にあふれる県だったのです。

そんな福島県に私は住んでいます。

でも、現実はどうでしょう。

震災から約2年経った今、状況は必ずしも改善しているとはいえません。

悲しいことに、大震災及び原発事故以降、世間一般に「フクシマ」というカタカナ表記が浸透してしまいました。何か汚いものにでも触れるような意味合いを持って。

 

あなたが知らない被災地の真実

福島県の子どもは砂場で遊びません。

土いじりをするとお母さんに怒られるからです。

砂場の土が放射能で汚染されているからです。

あなたは知っていますか?

少しでも表土の放射線量の値を下げるため、福島県の幼稚園の園庭、小・中学校、高校の校庭の土の入れ替え作業をしたこと。

幼稚園や学校、公園には、空気中の放射線量を測る線量計が設置されています。

ローカルニュースでは、天気予報と一緒にその日の放射線量の値が読みあげられます。それが日常です。

最近では、野球部やサッカー部の人気が無いそうです。

特に放射線量測定値の高い地域では、長時間屋外にいることを避けるためです。

また、地震による倒壊や津波被害の影響で校舎が使えず、近隣の学校で間借りして授業を受けている子どもたちもいます。

子どもたちのメンタルヘルスを憂慮して、行政はスクールカウンセラーを派遣しています。

でも、その数が足りていません。

複数の学校をかけもちで担当しているカウンセラーもいます。

仮に1つの学校に1人ずつカウンセラーが割り当てられたとして、何十人、何百人といる児童・生徒個々の心のケアを十分にしてあげられるでしょうか?

異常な状況です。

被災地の子供たちが抱えているストレスは想像以上です。

(つづく)