彼女からのメール2

私という 
存在 
肉でできた 
女と呼ばれる 
生き物 

私が生きている 
という
妄想 
夢から覚めて 
また夢の中 
夢中で追いかけるのも 
また夢

生臭い息をして 
ナイフを 
あてれば 
生温かい血が 
流れ出す 

そして 
いつか 
死んでいく 
波打つ心臓が 
動きを 
止める

土に帰って 
雨に当たって 
また芽吹いたら 
あなたの 
手の中で 
また咲きたい 

一輪の深紅の薔薇 

咲いたら 
根元から切って 
誰かの手の中 
で散りたい 

断片的な 
思い出の中 
リボンのかかった 
箱の中 
横たわった 
一輪の薔薇 

私の唇と 
横たわった胸に 
組んだ両手に 
包まれたそれは 
同じ 
深紅色 

鮮血と花びら 
染められた唇 

沈黙と静寂と 
寡黙と脆弱と 
何が本当で 
嘘も本気で 

困惑とカオスの 
瞳には 
ただ笑うしか 
出来ない 
僕が 
映っている夏